香港大学図書館本館での資料閲覧の手順
2019年時点での香港大学図書館(The University of Hong Kong Libraries)の本館(Main Library)で海外からの訪問者として登録し、資料を閲覧・複写する方法についての投稿です。香港大学図書館本館は、大学に所属する学生または研究者であれば条件つきで利用することができます。
事前の準備
- 親切な案内がウェブサイトにあるのでそれに従います。
- 私の場合は、勤務先の附属図書館に英文紹介状を用意していただくとともに、学部事務に英文在職証明書の発行を依頼しました。そのうえでメールで訪問の依頼を行い、添付ファイルとして閲覧希望資料のリストに加え、紹介状/在職証明書/職員証をそれぞれスキャンしたものの4点を送付しました。24時間以内に来館が承認された旨返信がありました。
入館のための手続き
- MTR香港大学駅を下車してエレベーターで「大学街(The University Street)」まで上がり、案内に従って東に進むと図書館本館2階(2/F)に着きます。入館するとすぐに外来者用の受付があります。なお地階(G/F)にも入口がありますが、受付がなく自動ゲートのみで初回訪問時には入館することができません(警備員に制止された際に、来館予約メールを見せることで地階からも無理矢理入ることができました)。
- 受付でメールを印刷したものを手渡すとすぐに手続きを進めてもらえます。パスポートの提示を求められましたが、紹介状や在職証明書のチェックはありませんでした(とはいえ、必ず持参して携行すべきと思われます)。5分ほど待つと一時利用証が発行され、表面に氏名と期間、裏面には利用規約、バーコードの他に、利用者番号(アルファベットのTと0から始まる数字7桁)、そして職員がボールペンで手書きしたパスワードが記されています。


閉架資料の閲覧
- オンライン目録で資料を検索すると配架場所と請求記号が確認できます。請求記号は「HK」や「HKLB」のようなアルファベットと十進分類、そして言語を表す補助記号などから構成されています。今回は、1階(1/F)の特別資料(Special Collentions)室の資料を閲覧したので、以下、特別資料室について記します。
- まず、カウンターに備えられている用紙(閲覧申込票)に利用者番号と資料の請求記号を記し、署名をして職員に提出します。一時利用証と身分証明書を提示するように求められるのでパスポートを提示します。職員は1名体制でしたが、他の利用者の姿はほとんどなくすぐに資料を入手することができました。
- 一時利用証と引き換えに同時に5冊まで利用できます。資料の利用は特別資料室内に限られるので、一時的に外出する際はカウンターでキープしてもらいます。返却する際は利用が終了したことを伝えます。
閉架資料の複写
- 複写をする前にアカウントにコピー料金をチャージする必要があります。チャージ機は2階の貸出カウンターのすぐ近くと3階のコピー機付近に設置されています。
- チャージ機のタッチパネルで一時利用証の裏面の利用者番号を入力したうえでオクトパスカードを挿入するととコピー料金がチャージされます。一度に入金できるのは「30香港ドル・100ユニット」で、かつ返金不可のため、1ユニット=1ページを目安に何回かに分けてチャージしました。
- 特別資料室のコピー機はカウンター近くにあり、1台はカラーコピー、残りの2台は白黒コピーができます。起動してタッチパネルの「ログイン」を選択し、利用者番号と一時利用証の裏面に書かれたパスワードを入力するとコピーができるようになります。機種は日本でもしばしば見かけるもの(富士ゼロックスなど)です。
- コピー料金はA4白黒片面が1ページあたり1ユニット(0.3香港ドル)、A4白黒両面が1ページあたり0.67ユニット(0.2香港ドル)で、日本と比較すると安価です。なお、香港中央図書館はA4白黒片面で0.5香港ドルですので香港の相場からしても良心的な価格設定のようです。
- なお、3階(3/F)にはセルフ式のスキャナーも設置されており、開架資料はスキャンしてUSBメモリに保存することもできます。
その他
- 一時利用者も香港大学の無料wifiを使用できます。また、eduroamも使用可能です。
- 大学食堂のほかに飲食店が近隣にないのが難点です。図書館の地階入口横にスターバックスコーヒーがあり軽食をとることができます(ただし、公式には大学食堂を含め構内の飲食店はすべて大学関係者以外立ち入り禁止となっている模様…)。また、3階の休憩コーナーの自動販売機で飲み物やスナック菓子などを購入することができます。自動販売機の支払い方法はオクトパスカードのみです。
- 高台に位置するため大学街からは香港島の高層ビル群から対岸の九龍までの景色を楽しむことができます。
