手作りマスクを製作しなければならなくなった学校関係者の方へ
コロナウイルス感染が広がるなか,文部科学省から新学期より学校を再開する方針が示されました。
関連する事務連絡(3月25日付)では「養護教諭や家庭科,技術・家庭科担当教師等を中心に手作りマスクを作成する学校教育活動を行うことなども考えられます」と記されています。ここでは,手作りマスクに関する情報を集積していく予定です。
- 「各学校等における教育活動の再開へ向けたマスクの準備について(令和2年3月25日)」(文部科学省初等中等教育局健康教育食育課,総合教育政策局地域学習推進課発事務連絡)
- 子供の学び応援コンテンツリンク集(文部科学省)
- マスクを手縫いで作ろう!(徳島県教育委員会・徳島県高等学校教育研究会家庭学会)
簡単マスクの作り方動画(約10分),型紙,作り方の説明があります。対象年齢は小学生以上。 - 小学校家庭科教科書(東京書籍「新編 新しい家庭 5・6」)
今年度まで使用している教科書の110ページに簡易的なマスクの作り方が掲載されています。 - 立体マスク・平らなマスクの作り方(オカダヤ スタッフ・ブログ)
手芸店のブログです。立体マスクの詳細な作り方,型紙がダウンロードできます。中・高生以上向け。 - DIY Face Mask(香港消費者委員会)
香港大学など公的機関が開発し,有効性が確認されたとする手作りマスクの作り方が紹介されています(動画約5分)。キッチンペーパーやティッシュを使用して製作するものです。香港ではこの他にも様々な手作りマスクが考案されているようです。
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文科省が何の前触れもなく特定の教科の教員に対し,学習指導要領に記されているわけでもない活動を展開するように求めることは極めて異例です。私は,次のような理由から手作りマスクを家庭科の授業で製作することを事実上強制するような学校設置者による指導は適切でないと考えます。
- 材料の調達など,準備が容易でないこと
- どのようなマスクに感染防止に効果があるのか各学校が判断することは難しいこと
- そもそも児童・生徒のマスクの着用が感染防止のために必要だという根拠がないこと
- マスクが必要だとしても,学校を再開して授業中に製作させるのは本末転倒であること
私たちが家庭で自らの責任において手作りマスクを製作し使用することは何の問題もないことであり,むしろこのような状況にあっては奨励されるべきことですが,それを「教育活動」の一環としておこなうべきか甚だ疑問です。